スマートフォンの充電や家電製品を車内で使用したい場合に便利なのがインバータです。インバータを使用すれば、家電製品に多いコンセント充電やACアダプターを車内で使用することができます。インバータが搭載された車があれば、アウトドアや車中泊がより快適になるほか、災害時の備えとしても活用ができます。本記事では、インバータを車内に取り入れようと考えている方に向けて、購入時のポイントや使用する際に注意しておいた方が良いことについて紹介していきます。お気に入りのインバータを見つければ、車内環境を今よりもさらにアップグレードすることができます。ぜひ、参考にしてみてください。
インバータとは、直流電流を交流電流へと交換する機器
インバータとは、「インバータ」とは「逆にするもの」という意味を持っており、その名の通り、電流を逆方向へと変換することができます。一般的な乗用車にはDC12V(直流12V)が流れています。しかし、家庭で使用されている電化製品はAC100Vで使用するように設定されているため、車載で使用する場合にもAC100Vに合わせる必要があります。エアコンをはじめ、一般家庭で使用される家電製品は、そのほとんどが交流電流に対応しており、コンセントにて電力を供給する仕組みを持っています。したがって、車載用インバータは車内に流れるDC12Vから家電製品に対応するAC100Vへ変換するために欠かせない製品となります。
インバータを使用するメリット
インバータを1台車に取り付ければ、通常、車内では使用できない電化製品を使うことが可能となります。スマホの充電をはじめ、パソコンを車内で使用することもできます。アウトドアやキャンプの際に電源を気にせず、電気製品を使用できるほか、オフィスを持たずに仕事を行う人にとっては車一台でさまざまな場所で仕事を行うことができます。また、災害時の備えとしてインバータの存在は心強いものです。
インバータの取り付け方法
インバータの使用方法は簡単。車内に取り付けられた、シガーソケットに差し込むだけです。変換の際の発熱に備えて、冷却するためのファンもしっかりと搭載されているので安心して使用することができます。
また、バッテリーに直接接続する方法もあります。その場合には、必ずエンジンを切り、プラス(赤)、マイナス(黒)の配線方法を確認してから接続を行うようにしましょう。
車載用インバータを選ぶポイント5つ
車載用インバータを選ぶポイントは5つあります。
1つ目は、「正弦波」と「矩形波」を確認することです。車載用インバータには、「正弦波」
を出すものと「矩形波」を出すものの二つが用意されています。多くの家電は正弦波に対応する形で製造されており、一般の家庭で使用される電化製品のほとんどが正弦波です。したがって、矩形波を出すインバータを購入してしまうと、炊飯器や液晶テレビなど一部電化製品が使用できない可能性があります。ただし、ACアダプターに対応する機器の使用は可能ですので、使用する電化製品に合わせて購入するのが良いでしょう。
2つ目は、インバータは使用できるワット数が限られている点です。インバータの基本的なワット数は150W~300Wとなっています。車内に特化した製品や携帯の充電程度なら150Wあれば、十分ですが、ノートパソコンを使用したい場合には300W必要となります。
車中泊を考えている人やアウトドアシーンで車を利用する場合に、家電製品を取り入れたい方は2,000W以上あるバッテリー接続タイプのインバータがおすすめです。比較的使用する頻度が高くなる電気ポットの消費電力はおよそ900W~1,400W。
対応ワット数をオーバーしてしまった場合、インバータのヒューズが飛び、最悪の場合車の故障原因にもつながります。また、常時電子機器を繋いでいる場合にも消費電力がオーバーしてしまう可能性があるため注意しましょう。
3つ目は、使用したい機器の数に応じて、出力端子を確認することです。充電したいスマホが2つ以上ある場合には、コンセントの数も同様に2つ以上あると便利です。事前に利用する機器の数を決定し、最適な数の出力端子が搭載したインバータを選ぶようにしましょう。使用目的によっては、想定していたよりも使用する製品が増える場合もありますので、出力端子の数は余裕を持たせることがおすすめです。
また、商品の中には、コンセントプラグとUSB端子の両方を搭載したモデルもあります。スマートフォンを常時充電する場合には、USB端子があらかじめ搭載している商品を選んでおくと良いでしょう。
4つ目は、車内のスペースに合わせてインバータを選ぶことです。車種やメーカーによっては、シガーソケットの位置が異なり、ソケット付近のスペースが制限されることがあります。あらかじめ、設置できるサイズを測定し最適なサイズを選ぶようにしましょう。特に、軽自動車はスペースが制限されるため、小型サイズの製品を選ぶと安心です。大型の車の場合には、スペースにも余裕がありますので、インバータも大型のタイプを選び少し遊びを持たせるくらいがちょうどいいでしょう。使用する製品の出力数や端子数と合わせて、サイズも検討するようにしましょう。
5つ目として、静音性をチェックすることです。車載用のインバータは変換時の熱を避けるためにファンが取り付けられた製品が多く流通しています。走行時には気にならない音も車中泊などでエンジンを停止した時には音が気になる場合があります。静音性の高いインバータを購入することで、車中泊でも、より快適な眠りを保証することができます。静音性に特化した商品の中には、熟感知式や完全にファンレスタイプの無音モデルなどさまざまな種類があります。相場やモデルタイプなどを比較して選ぶようにしましょう。
インバータを使用する際の注意点
インバータを使用する際に注意すべきこととして、インバータはバッテリーが上がる原因になることが挙げられます。特に、エンジンが停止している間に、インバータの電源が入ったままだとバッテリーが燃焼し、バッテリー上がりの原因になります。バッテリーはエンジンが稼働している際に充電されています。エンジンは止まっている際には、充電もストップされている状態ですので、過剰に電力を使ってしまうとバッテリー内の充電がなくなってしまいかねません。バッテリーが上がってしまうと、エンジンがつかなくなってしまうなどの走行トラブルを引き起こしますので、車を駐車した際にはインバータの電源を切るようにしましょう。
インバータの価格相場と購入方法
車載用のインバータは家電製品に合わせて、さまざまな製品が販売されています。購入する際には、使用する家電に合わせて選ぶことがおすすめです。事前に使用目的を整理してから、お近くの家電量販店やカーショップに足を運ぶようにすると迷わず購入することができます。
インバータの価格相場は、対応ワット数などで変動しますが、おおよそ1万円前後で購入が可能です。
まとめ
車用インバータを購入するポイントと注意点について紹介してきました。インバータを取り入れれば、使用できる家電の幅が広がり、さまざまなシーンで車を活用させることができます。購入する際には、使用目的に合わせて、対応ワット数やサイズ、端子の数や静音性などをチェックして最適なモデルを選ぶようにしましょう。